「……っ…」 頬に一瞬、柔らかい感触。 「…え…」 思っていたのと違う結果に、思わず目を開いた。 「……なんだよ。…ゆりちゃんがそんな緊張した顔するから、俺まで力が入っちゃうんじゃん…」 そう言って気まずそうに横を向く、目の前の奏多。 その頬は紅く、どこか照れくさそう。 ……お互い、初めてのこと。 うまくいかないのは仕方ない。 なんだかおかしくって、2人で笑った。 頬に感じた初めての感触。 きっと、ずっと忘れない。