「…寝冷えしちゃうよ」 ベッドの毛布をふわりと被せてあげた。 ふと指が触れた顔は、ひんやり冷たい。 …まさか、死んではいないよね… なんて物騒なことを考えてしまうくらいに。 …寝息が聞こえているから大丈夫なんだけど。 それにしても、綺麗に整った寝顔だな。 昔はよく合わせていた顔も、今となってはつい目をそらしてしまう。 …別に、嫌っているわけじゃないんだけれど。 ただ、せめてこんな複雑な関係じゃなければよかった、って、そう思う。