BuBuBu

あっ、携帯!

サイドテーブルに置いてあった。

発信者は…兄貴。

こ、こんな時間に掛かってくるって

「はい」

「起きてるか?」

「えっ、うん」

「大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫だよ」

「昨日電話したら社長が出た」

へっ?

社長が出た?

「お前が会社で倒れたから連れて帰ったって…」

な、何かいや~な予感が

「そっちで休ますって言ってた」

「……」

「確か独身だったよな、社長」

「う、うん。で、でも妹さんが…」

「ハハハ…その妹さんとも話したよ」

へっ?

「お、お兄ちゃん」

「ハハハ…妹さんが付き添うて言ってくれたから任した。俺は夜勤だったから迎えにいけなかったし…今は?」

「い、今?今は、お、お二人とも仕事に行ってる」

妹さんは知らないけど。

「俺、今日も夜勤だから、もう一日そこに居させてもらって。晩にお前一人じゃ心配だから…」

「だ、大丈夫だよ。一人でも」

社長と二人の方が危ない。

「熱は?」

「…7度5分」

「ちょっとあるな。やっぱりそこに居ろ。分かったな」

「……」

「返事は?」

「分かりました」

「いい子だ。じゃあ、暖かくして寝てろ。汗かいたら着替える事。水分をこまめに取る事。いいな」

「はい」

「うん、じゃあな」

「お兄ちゃん、ありがとうね」

「あぁ」

電話を切って