車をホテルに向かい走らせる。

「社長」

「ん」

「夕日が沈むのと、ホテルに戻るのとどちらが先でしょうね?」

「…賭けるか?」

「あっ、はい。社長はどちらだと思いますか?」

「お前が先に選べ」

「う~ん。ホテルに戻る方が早いです」

「じゃあ俺、夕日な」

「はい。じゃあ何賭けますか?」

「そうだな。お前が勝ったら、お前が食いたいケーキを好きなだけ買ってやるよ」

「ほんとですか?ロールケーキ一本買ってくれますか?」

「あっ、あぁ」

「じゃあ社長が勝ったら…そうだな…何がいいですか?欲しい物ありますか?あ、あまり高い物は無理ですけど」

服とか言われら破産する。

「欲しい物は決まってんじゃねぇか」

「何ですか?」

「お前」

「………」

固まった。

「クククク…それでOKか?」

「駄目です」

「ハハハ…やっぱりな。仕方ねぇな。さっきの洋服二枚分のキスと今回の賭けの分のキス、計3回のキスで妥協してやる」

妥協って…

「夕べお前から一回出来たから大丈夫だろ」

夕べ出来たって…

「また、真っ赤」

「社長」

「賭けは成立したからな。取り消しは無しな」

「……」

「いいな」

「…は、はい」

どうぞ夕日が沈みませんように!