「サングラスと黒服の男性で。多分…首元から見えた桜の入れ墨(タトゥ)…"仁流会"の方かと…」
かたかた、かたかた。
店員は震えだしたのは――
記憶故のことか、それとも俺の目を見てのことか。
「"仁流会"ってヤクザかよ!!?」
煌が怒鳴った。
「……。1つ聞く。その代金を払った男は、女を連れていたか?」
「は、はい…貧血で倒れたから病院に連れて行くと…」
病院になど…行くはずがない。
「それから…このメモを渡すようにと…」
俺は差し出された紙を引ったくる。
『女は預かった。ドリームカンパニーの買収から手を引け。引いたら女を返す。引かねば…女の命はない』
「煌!!!」
「おう!!!」
馬鹿な奴らだ。
俺を怒らせやがって。
俺の貪欲さを、なめるんじゃない。
芹霞を巻き込んだことを――
後悔させてやるから。

