「はい、次は師匠だね。はい、6。『家に客として来ていた、口元の泣き黒子が悩ましげで、豊満な肉体を誇る和装未亡人"ミサキさん"に誘われて、その夜、意味がまだよく判ってない乍らも、初めて女体の神秘を経験する。年の差20歳だったが、相手に凄く気に入られて、5000円お小遣いを貰う』よかったね~師匠。なんか意味ありげだね~、はい5000円」


玲は、赤い顔をしながら…食い入るように青いマスを見つめている。


俺程、長々しい文章ではないが、短文だからこそ…その"具体性"が意味深にも取れる。


玲の顔が気まずそうに歪んでいるのが、非常に気になるんだが。


そんな時。


「ねえ、女体の神秘って何?」


芹霞が俺に聞いてきた。


同時に、目を瞠る玲。


「玲の番なのに、何故俺に聞く!!!」


「だって櫂は物知りじゃない」


きらきら。


芹霞の好奇心は留まる処を知らない。


「それくらいなら俺だって知ってるぞ!!!」


煌が自慢げに胸を反らせた。


「女体の神秘って言うのは……」




「――黙りやがれ、


腐れ蜜柑がッッッ!!!」




桜の肘が煌の延髄に決まった。



「次は葉山だね。7。『去年に比べて2mmしか身長が伸びてませんでした。毎日5回牛乳を飲み、更には夜間牧場に忍び入って、乳牛の牛乳を飲んでみましたが、酷い下痢にうなされ寝込みました。薬代2000円没収』。あらら~、そういえば葉山って牛乳飲まないよね、何でだろうね。はい没収ね~」


桜は赤いマスをじっと見ている。


「そういえば、桜。お前身長何センチ…」



「――うるせえ、ボケッッッ!!!」



桜は、小柄なのがコンプレックスらしい。


今度は、煌の脳天に肘が垂直落下した。