年下男子とナイショのキス

「………あっ」


思わず大きな声が出てしまったことに気づき、慌てて口を手で覆う。


………びっくりした…。

山本くんが、目を丸くして、こっちを見てるから。


…いやいや、待ってわたし!
こんなの、自意識過剰かもしれないし……。



1人で格闘しながら、チラッとまた山本くんの方を見てみた。



やっぱり山本くんはこっちを見ていて、
女の子たちの合間を縫ってこっちに走ってきている。


「ちょ……ゆうとー?」

「ごめん。ちょっと行ってくる」


そんな会話が聞こえた。


……"行ってくる"。

ーー…誰のところ?


沸き上がってくる期待は、胸に無理やり押し込む。