「……あ。だめです」


顔を離す。

「今日は、キス…しないって決めたんで」


思い出したのは、昼休みのこと。

りおとキスしてしまった今日は、センパイとはキスしたくない。


センパイは大きい目をまん丸にした後、
はあと息を吐く。


「…センパイ、キスしてほしかったですか?」


俺は、なんていう人を好きなっちゃったんだろう。

「……そんなわけない」


俺の好きな人の好きな人を
俺は知っていて、

それを弱みに、俺とセンパイとの、この関係があるんだから。