「ちょっと…ゆうとぉー?早く戻って来てよー」


グラウンドから呼ばれる。

「…あーあ。呼ばれちゃった」


もっとセンパイと話していたかったのに。


「……早くいきなよ」

「そうですね。もう、戻ったほうが良さそうです」

センパイのほうに顔を向け、
にっこり笑う。


「放課後、昨日の空き教室に来てください。……待ってます」

俺は、センパイに背を向けてクラスメートのほうへ走る。



「……おい。お前、あの美玲先輩となに話してたんだよ?」

「そーだよ悠斗っ!どういう関係なの?」


クラスメートのほうへ着いた途端、質問攻め。

……言いたくないし、言うつもりもない。


センパイのほうを、チラッと見ると、まだ俺のほうを向いていた。



「……内緒」