ピピピーッと、2度目のホイッスルが鳴り響く。


……試合終了の合図か。

試合が終わると共に、女子たちが集まってきて、
5枚くらいのタオルを渡される。


「…ありがと」


汗を拭きながら、辺りを見渡してみる。

「……あ」


佐伯センパイだ。

……中島センパイと喋ってる。

そのことに何だか、無性にイラッとしたけど、センパイと話したくて全速力でセンパイの教室の窓まで走る。


「……ちょっ、ゆうとぉー?」

後ろから声が聞こえたけど、聞こえないフリをする。



センパイは、こっちを見ていた。


「せーんぱいっ」


「……あ。ドウモ…」


……センパイ、棒読み…。

明らかに顔を背けて、俺の顔を見ないようにしてる。


「あれ?センパイ、顔赤いよ?」

指摘すると、もっと赤くなる。

……中島センパイと話したからか。