顔がゆっくり近づく。


キスー……



されると思ったら、

「……あ。だめです」


唇までの距離、3センチ。

「今日は、キス…しないってきめてたんで」


にっこりと笑う。

……よかった…。これで心臓持ちそう…。

ふぅ。と安堵の息を吐く。


「……センパイ、キスしてほしかったですか?」

いたずらっ子の顔で、そう聞いてくる。


「…そんなわけない」


そんなわけない。

だって……、わたしが好きなのは中島くんだもん。