なんとか入ることを避けようとするけど


「ーーっわ!」

腕を引っ張られ、その努力は
無駄になってしまった。


山本くんは、後ろ手に空き教室のドアを閉める。


山本くんはドアの前で立ち止まってるため、逃げれない。


「……あの、ノート返して…」


「『今日もサッカーやってた。かっこよかったあ』」


「……っ!」

わたしが固まって動けないとわかると、
山本くんはにっこり笑う。


「み、見たの……?」


「見たっていうか、開いて落ちてたんで」