さっきとは違う意味で心臓がドキドキしている。


「んん?美玲、顔赤くない?」

「え。 や……、全然」



嘘。ゼッタイ、赤いと思う。


「もーっ!帰るよ」

「………だから、俺はセンパイと帰るんですって」

「きーんーしー」


結衣は、背中を向けて荷物をまとめ始めた。


山本くんはくるりとわたしのほうに顔を向けて──




「………これもナイショですよ?」



 親友にも、今日のキスはナイショ。



    ─────aftertimeend