「……教えてほしいですか?」


ずいっと山本くんは身体を寄せてくる。


「え、や……」



山本くんの顔を見上げると、その顔は……、にこにこ顔。


────やば。


「や、山本く……ッ」


空き教室の壁に向かってずいずいと追い込まれていく。


それに比例するように、わたしも後退する。


「───っ!」


背中に固い感触。


「あ………」


ついにわたしは壁まで追い込まれた。