走る、走る。


もう放課後になってからかなり時間が経っているから、すれ違うヒトはいない。


まあ………


「コラッ!佐伯、またお前かっ」

「先生スミマセン!見逃してくださいぃ…ッ」


先生という、厄介なヒトはいるけれど。



……というか、わたしは一体ドコへ向かって走ってるんだろう。


だんだん教室の数も少なくなってきて…

見える教室は────…


 
「あ……」


あの、"空き教室"だ。