………何なんだろう。


『ついてきてもらえますか?』

って……、べつにノートくらいその場で返してくれたって…。

不満が口から出てきそうになる。


……だめだめ。


「…つきました」


山本くんの声で、顔を上げる。


わたしがつれてかれた場所は、
使われてない、"空き教室"。


「入ってください」


にっこりと、笑顔で部屋に入ることを促される。



………やばい。
わたしの危険信号、レベルMAX…。


「………や、あの。そのノート、ここで返してもらえれば十分だから…」