熱い瞳に、至近距離で見つめられて、まるで金縛りにあったようにわたしの身体は動かない。


「や、やまもとく……─」


頬を山本くんの吐息が撫でる。


それだけで、わたしの身体はゾクゾクと疼く。


「センパイ……」


山本くんの熱い瞳は、いつの間にか切なげな瞳に切り替わっていた。


なんで? そんなカオするの?


山本くんは、何かを堪えるように、ギュッとくちびるをむすんだ。

そして、パッとわたしから身体を離した。



「………え…」