……2人の、世界…。


『センパイは俺のいいなり』

……だから、忘れるんだーっ!



「センパイ」

「ひえっ……!」

急に廊下から聞こえた、一番聞きたなくない声に変な声が出る。


……も、やだ…


「今日の集合場所、伝えに来ました」


「……ありがとう…」


別にわざわざ来なくても…

山本くんは顔を寄せて、場所を伝える。


「放課後……、だよね?」


「はい。…あ、あと、昼休みは空き教室に来てください」

この笑顔は、危険だ。

………だけど…


「わかった。行く」

その答えを聞くと、満足そうに「待ってます」と言い、ドアから離れていった。