☆★☆
「よーし!悠斗、ナンパいくぞー」
授業が終わり、放課後になった瞬間に俺の腕をグイグイ引っ張っていく。
「はあ?やだよ。…別の人と行って」
「頼むよーっ! お前が居ないと、始まるものも始まんないの!」
そう言うときも、俺を引っ張り続ける。
「本気で。 俺用事あるから」
デートの。 と言いそうになった口を慌てて塞ぐ。
こいつに言ったら、いろいろ面倒くさいことになる……。
「ええー? 予定開けとけよ」
「……聞いてないし」
ブーブーと文句を言い続けてる。
ほっ。 バレそうにないな。
安堵の息を吐く。………と、
「悠斗ー! 美玲センパイと出かけるんだってー?」
俺たち2人の周りだけ、空気が凍った。

