「…サッカー、見ててくれたんですか?」

「……まあ。うん」


やっと正面を向く。

そのことが嬉しい。


「悠斗ー?ちょっとなのに長いよ!」


センパイとの会話に、俺のものでも、センパイのものでもない声が混ざる。


センパイを見ると、不満そうに目を細める。


俺もたぶん、苛立ちを隠せてない。


「……すぐ戻るよ」


センパイの腕を引っ張る。


「……ーっわ!?」