「…………はい」


センパイのほうが年上なのに、

俺をじっと見つめるセンパイは、年下のような可愛らしさがある。


「センパイ、偉い」


くしゃくしゃっとセンパイの頭を撫でる。


俺はいま、センパイ気分を味わってるんじゃないか?


ふとセンパイの顔を見ると、俯いているけど、耳まで真っ赤なのがわかる。


「センパイ?」

「……なに」


不機嫌な声を出すセンパイ。

そんな真っ赤な顔で言われても、全然怖くないけど、ね。


「………顔真っ赤ですよ?」

「えっ!?」


頬をぺたぺたとさわりだす。

その光景がおかしくて、俺はつい笑ってしまう。


「…それは、誰のせいですか?」


答えがわかってる質問ほど、楽しいものはないとはじめて知った。


「………山本くんだよっ!バカ!」