「良かったですね。喋れて」


「……何がいいたいの」

座っていた身体を、
山本くんに腕を引っ張られ立たされる。


「……中島先輩と、喋らないでください」


「……え…」


「少なくとも、俺の前では」

じっと見つめられる。

キスしたときは、こんな余裕なかったから、
気づかなかったけれど、
間近で見ると、すごく綺麗な瞳をしてる。


「"ゆうと"……」


「……」


「名前、ゆうとって言うんだね。今日、女の子が呼んでた」