「美玲センパイに、伝えてください」

「佐伯に?」


呼び捨てにしないでほしい。

少なくとも、センパイには。


………なんて。
ただの嫉妬。


俺だって、センパイを呼び捨てにしてみたいし、授業中だって一緒にいたい。

ー……美玲センパイに、好きになってもらいたい。


そんな俺の願いを、
望まなくても叶ってるセンパイが、羨ましいだけ。



「はい。……昼休み、緊急委員会があるって」


「では、失礼します」と付け足して、俺はグラウンドへ向かった。