年下男子とナイショのキス

山本くんは、にっこりと手を差し出してくる。


「センパイ、こっち来てください」

「………やだ」


わたしと山本くんは、向かい合わせに座ってるから、山本くんの方へいくには、立たなければいけない。


こんな、ふらふら不安定な場所を。


「大丈夫ですよ」


そう言って、わたしの手を強引に引っ張った。


「……ーっきゃ…!」


わたしが立ったせいで、観覧車が僅かに揺れた。


「………や、だぁ…っ」


急に、目の前が霞んで、見えなくなった。

山本くんの顔も、ぼやけてる。



………わたし、何で泣いてるの??