年下男子とナイショのキス

「……やっぱり、ベンチ座ろう?」


そう言って、山本くんの手を引っ張って、ベンチにむかう途中。



「…ーーあれ?佐伯?」


後ろから、知ってる人の声がした。

振り向くと、


「……な、中島くん…っ!」


思わず山本くんと繋いでる手を、背中に隠す。

………隠しただけで、
手は繋がったまま。


「中島センパイ……?」


山本くんも、中島くんの名前を呼ぶ。

不機嫌なのが、繋いだ手の強さから、雰囲気から、声から、ヒシヒシと伝わってくる。