「葵、ご飯食べよ~」
気だるそうな声で伊織は言う。
私はそれとは正反対の口調で
言い切った。
「私、小野寺くん頑張ってみる」
なんだ、言ってみたら案外すっきりするものなんだね
本当にそうしたいような気がしてきた。
「まじ!?
めっちゃ応援するから!!
頑張れ、三河っ!」
伊織は本当に嬉しそうな顔で笑ってくれる
その笑顔が実は私のことを救ってくれてるなんて
絶対言ってやんないけど。
「見返してやんなよ、葵ならいけるいける。
うわー、なんか楽しくなってきた」
多分こいつは
私のことを面白半分で見てるんだろうけど
それでもいいか
「ま、とりあえず食べよ」
「うん!」
そんなわけで、
私
王子こと
小野寺 悠の彼女になれるよう
頑張ることに
なったみたい。