嘘つきと王子様



そんな言葉に一番驚いたのは



雅也でも、

伊織でもなくて



私自身だったと思う






「ご、ごめん」



雅也は、戸惑った様子を見せて

頭を掻きながら謝る。



私は何も言えなくなって


窓の外に目を向けた。



違うのに


雅也は、なにひとつ悪くないのに



私は一体なんてことを言ってしまったのだろう




でも、



こうでもしなきゃ



私の雅也への思いを



断ち切ることはできないと思ったから。



こんなうっとおしい気持ちなんか、早く無くなって欲しかったから。




だから私は、こみ上げてくる何かを



ぐっと飲み込んで



外の景色を睨みつけた。