「えーっと、ジュース、
何買おうかな、どうしよ
どうしよ、えーっと…」
沈黙を破るために
私は何事もなかったようにして
震える言葉を零す。
足だって微かに震えているような気がするし
ボタンを押そうとするこの指も
小刻みに震えていた
ダメ、
泣いたらダメだよ
泣いたら
負ける、そんな気がして。
「三河、」
必死になって涙をこらえる
歯を食いしばって、
手のひらを握りしめて
「ごめん小野寺くん」
「え?」
「私、帰る、ね」
「ちょっと待てって」
「じゃ、うん、また明日…!」
ごめんなさい
本当に、ごめんなさい
ありがとうって言わなきゃいけないのに
何度も何度も
今日は救われたのに
小野寺くんのその優しさに
心から感謝したいけれど
でも今は
こんなみっともない姿を
誰にも
見て欲しくない

