嘘つきと王子様



凛太朗と伊織は
気を遣ってなのかやけに話しかけてくるし

まあ、あのふたりの会話が聞こえてこないから


嬉しいんだけど。


やっぱり、学校に残って

みんなと勉強会なんて名ばかりで


結局は話してばっかり


でもそれが、結構好きな時間だったりするんだけどね。



「ってか、喉乾いたから

私ジュース買ってくるね。


買う人いる?」



「あー、あたし昼休みに買ったやつまだ残ってるからいいかも」



「ん、じゃあ

ちょっといってくるね」



そう言って席を立つ


教室にクーラーがきいてはいるけれど
やっぱり七月、暑いのは変わらない。



それに、少しの間だけ教室から離れる理由が欲しかった。



伊織たちと話すのは楽しいけれど


やっぱり上田ハルナと同じ空間にいるのは


つらくて。



そして、自動販売機にたどり着いた時だった



「み~かわさんっ」



この世で一番嫌いな


あの声がする