嘘つきと王子様



「え……」



帰ろうとした雅也が


軽い足取りでやってくる



「んー、今から勉強会らしい」



そう答えたのは


小野寺くんだった




「まじで?

俺も今回ほんとやってないからなー、

俺も混ざろっと」


そう言って近くの席から、椅子を持ってきて雅史は座った



別に


雅也だけならまだ構わないよ


でもね




「まあくん、遅い~っ」



ほら、雅也だけならいいのに



「あっごめん!
 

でも俺、勉強しようと思うんだけど」


すると上田ハルナは

小野寺くんをチラリと見たあと

アヒル口で

ハルナもするぅ~

と猫なで声を出した。



「葵、大丈夫?」


伊織が小さな声でそう囁いてくれたからまだよかったよ


私は小さくうなづいたけれど


きっと泣きそうな顔をしてる。



「俺ね、数学わっかんねぇんだ。


葵わかる?」



「えっ?
あ、数学ね、えーっと」



ダメだ、変に意識しちゃって



うまく答えられない



そんな自分が情けなくて


「まぁくん、数学ならハルナに聞いてよっ

これでもハルナ、理系女子なんだよおっ?」




もう、


やめてよ



見せつけないでよ