頬を撫でる風はだいぶ涼しくなった。
日中は夏かってくらいまだまだ暑いけど
確実に秋は訪れてる。
風になびく髪をかきあげながら、いつもの公園に入る。
この公園を突っ切るのが
僕の住むマンションへの近道。
無駄に広いこの公園は
この街を一望できる高台につくられていて夕暮れ時にはなかなかの絶景スポットになる。
なんて、知ったのは最近なんだけど。
勿論帰宅部である僕の帰る頃には、日はまだ燦々と照りつけていたし。
この前のテストの赤点のせいで放課後補習を受けるはめになるまでは、殆どこの時間に通った事はなかった。
だから
夕暮れ時の絶景を初めて知ったのも実は一週間前だったりする。

