とある國のヒメ


一瞬、あたりが静かになった。



「・・・。カイは、姫になにも伝えてなかったようだな。」


え?

カイは知っていたの?



周りを取り囲む兵士たちの、槍が下げられた。

「では、最後に教えてやろう。みんな死んだんだ。王とその后は、自ら命をたってな。」

「っ!ちがう!!お前が殺したんだ!」

間髪を入れずにカイが叫ぶ。



・・・そんな。

みんな・・みんな死んだなんて、嘘でしょう?

うばやだって、さっきまでは一緒にいたの。

お父様だって、お母様だって、さっきまで笑っていらっしゃったわ。

自ら・・・命を断つなんて。

ねぇ、誰かすべて嘘だと言って?


「・・・さぁ、話は終わりだ。余計なことを喋りすぎてしまった。そろそろ消えてもらおうか。」


下げられていた槍が、再度私たちに向けられる。











私も、死ぬの?