とある國のヒメ


「はなしたじゃねーか。」

将軍が口のはしを上げた。

あ・・・!!!

あーーー!!!

「やだっ!」

くるりと周り、今度は扉の方へと向こうとしたが・・・。


ヒョイッ。

「ちょっと。離してっ。」

まるでネコでも持ち上げるかのようにファナは楽々と持ち上げられてしまった。

手足をばたつかせ、床に足をつけようと試みる。

「下ろしてくださいっ。」

なおも抵抗を続けるが、それもむなしく椅子の上まで連れて行かれる。

ファナの力じゃ無理っ・・。



早くいかなきゃ・・・。

カイのところへ。

なんで、なんで行っちゃダメなの。


ドサッ。

椅子の上におろされた・・・いや、おとされた。

ふかふかなので、痛くはない。


・・・くやしい。


「少しは落ち着いたか?」

呆れ気味に彼が口を開いた。


(落ち着け。)


この言葉を、この二日間でいったい何人の人に言われただろう。

何回も。

何回も。

この言葉が、頭の中をこだました。

けれど、こんな時落ち着くなんてできないでしょう?

大切な人に。

もう会えなくなるかもしれないのに。