とある國のヒメ


「焦るな。」

急に彼がまじめな顔になって言った。

その言葉がファナの耳に嫌になるほどに響く。

「この国と鹿央国との国境あたりで不穏な動きがある。そして忍び込ませた間者(スパイ)から鹿央国がなにやら戦の準備をしていると情報が入った。」

鹿央国?

「ではファナ、お前に問う。この二つの情報から、何が考えられる?」

二つの情報からわかること。

国境あたりで不穏な動き。

戦の準備。

「わが国と戦をするつもりなの?鹿央国が国境に攻めてくる・・・。」

それしか考えられない。


・・・!

そうなると、国境に人手が必要だよね。

きっと城から兵を向かわせるはず・・・。

それが、今日の朝出発する兵士たち。

―――その中にカイが?

私はその考えが外れていることを強く願った。



「ふん。すべてわかったようだな。」

本当にカイが国境へ?

もしも戦になってしまったら、一番に国境がやられる。

生きて帰れないかもしれない。

もう、二度と会えないかもしれない。