とある國のヒメ


城門から入ると見つかっちゃうから、いつもの出入口にしている城壁に開いた穴から入る。

子供が一人通れるくらいの大きさだ。

だんだん穴が小さくなってきて、カイはもう通れなくなってしまった。

そういえば、昨日の夜は城壁を飛び越えて外にでてた。

あんなふうに私も飛び越えられたらなぁ。

城壁を飛び越えるカイの姿を思い出しながら穴をくぐる。

・・・服が汚れそうになるからやだわ。

見慣れた・・・庭園の隅。

そのあとは、いつもどおり窓から部屋へと戻る。

まだバレたことはないと思う。

多分だけどっ。




コンコンっ




!!!


・・・びっくりした。

扉を叩く音だ。

こんな朝早くになんの用かしら?

まさか・・・バレたとか?

「なんですか?」

扉の向こうにいるであろう相手に問いかける。

「朝早くに申し訳ありません。エレボスでございます。少しお話が・・・。」

エレボス?

あぁ・・・エレボス将軍ね。

それにしても珍しい。

エレボス将軍がわざわざ私の部屋に訪ねてくるなんて。

もしかして抜け出したところを見たとか?

・・・さすがにそんなことで来ないわよね。

「どうぞ。入ってください。」

私は彼を部屋に招き入れた。

キィィィィ・・・。

部屋の扉がゆっくりと開く。