とある國のヒメ


―――――辺りが明るくなった・・・。

山の間から、太陽が顔を出している。

眩しい・・・。

・・・とうとう明けちゃった。

「もう帰らなくちゃ。ファナは抜け出していたことがバレたら怒られるだろ?」

あ、そっか。

「そうだね。見つからないようにしなくっちゃ!」

ファナは城へと歩き出した。

・・・あれ?

カイが歩いてこない。

「カイは帰らないの?」

「俺はもう少ししてから帰るよ。」

こっちを振り返らずに言った。

「・・・分かった。」

一緒に、帰りたかったな。

ファナは再度城へと歩き出す。

「また後で会えるから。」

背中越しに聞いたカイの声を聞いて、鼻の奥がつうんとした。

後っていうのは、たぶん出発の時じゃないかな。

きっと。