とある國のヒメ





「夜が明けたら、もうお別れだな。」

聞こえるか聞こえないかくらいの声でぽそっとつぶやかれたその言葉は、ファナの耳によく届いた。

いつのまにか遠くの山々が明るくなりつつあった。

太陽はまだ見えていない。

―――太陽が、このまま出てこなければいいのにな。

そんなことを願ってしまう。

「やっぱり、行っちゃうの?」

「うん。」

聞いても答えは分かっていたけれど、やっぱり聞いてしまった。

・・・あ!

「そういえば行き先聞いてなかったよね。どこに行くの?」

肝心なことを聞いていなかったことに気がついた。

強くなるっていったって、どこに行くのかな?

「あー・・・っと秘密?」

「えー!なんでー?行き先位教えてよ!」

また秘密?

なんか絶対隠してると思う。

「まぁまぁそのうちわかるって。」

「ほんとに?」

「ほんとほんと。」