とある國のヒメ


「ファナはいらない子なんかじゃねーよ。みんな姫だから話しかけているわけじゃない。」

「で、でもっ!」

本当に?

じゃあほかの人は?

姫姫姫って。

ファナが姫じゃなかったらみんな優しくしてくれなかったでしょ?

「気を使うのと、気にかけるのはちがう。」

「・・・一緒じゃないの?」

気を使う?気にかける?

「姫の気を損ねないように、もしものことがないように、気を使って接するんだよ。心の中でヒヤヒヤしながら。・・・あの大臣があんたにあわてて誤っていただろう?あんな感じ。」

よく、わかんない。

でもよくわかんないけど気を使われるのはなんか嫌だと思った。

カイは続ける。

「ファナが城の廊下を歩いていたら、みんな声をかけてくれるだろ?」

廊下を歩いていたら・・・?

「うん。」

ファナたちを守ってくれる衛兵も、大臣も、女官も、みんな声をかけてくれる。

「最初はファナが姫だから声をかけてくれた。あいさつをするために。でも、今はちがう。あんただから声をかけてくれるんだよ。」

「???・・・わかんない。」

やっぱりよくわかんない。

「みんなあんたに笑って欲しいと思って声をかけるんだ。姫だからじゃなく、心の底から。あんたが笑ってるとみんなも笑顔になるだろう?」

ファナに笑顔になって欲しい?

ファナが笑ってるとみんなも笑顔になってくれる。

「・・・うん。」

「うばやのことだって、ファナにうつしたくなかったんだよ。本当にファナを心配してる。うばやだって、ファナに来て欲しいけど来て欲しくないんじゃないかな。」

え?

「なんで?」

「ファナが病気になって苦しむ姿を見たくないんだよ。・・・ほかの人も。」

本当に・・・?