とある國のヒメ


「そういえば、いつもあんたにうざいぐらい付きっきりのうばやはどうしたんだよ?今日は見なかったけど・・・。」

「うざいくらいはないでしょう?実はね。うばや熱を出したみたいなの。」

そう、ファナが生まれた時からずっとそばについていてくれたうばやはつい先日から寝込んでいると聞いた。

「ふーん。大丈夫なのか?」

「・・・わかんない。」

そんなこと、私が一番聞きたいことなの。

「わかんないって。見舞いとか行かなかったのか?」

「行ってない。」

行ってないじゃない、行けない・・・の。

「珍しいなー。」

「・・・とても心配だわ。お見舞いに行きたくてもいけないの。」

「なんで?」

「周りの人に止められる。うつると大変だからって。こっそり行こうとしてもダメだったわ。部屋の前に兵がいて見張ってる。窓もなかったの。」

こんなとき、うばやにお見舞いもできない自分が悔しくてしょうがない。

なんでいっちゃダメなの?

ファナは平気だよ?

せめて顔くらい見たっていいじゃない・・・。

「そっか。うつったら大変だもんな。」

「・・・でもっ!お見舞いに行きたいの。顔を見るだけでもいいから・・・。ファナが熱が出た時はうばやがずっと看病してくれたのに。」

病気の時にひとりになるのってすごく心細くなるの。

そこに誰かがついていてくれるだけで安心する。

「みんな心配してるんだよ。姫にうつったら大変だって。」

ファナが姫だからお見舞いに行っちゃダメなの?

「姫だから?」

「え?」

止まらない。

「姫だからダメなの?」

「え、いや。」

「姫だから心配してるの?」

もう、止まらない。