とある國のヒメ


俺、本当にこれでよかったのかな。

今になって少し後悔する。

この選択がいいなんて誰もわからないし、俺にだってわからない。

でも、少しでも・・・少しでもファナの役に立てるなら。

拳を握り締める。

ふと隣にいるファナを見ると、ファナもこちらを少し不安な顔で見つめていた。

・・・二人の目が合う。

少し、驚いたようだった。

「カイどうしたの?黙り込んで・・・。」

あぁ、俺が黙り込んでたから心配してくれたんだ。

俺は目の前にいる少女を、抱きしめたいと思った。

・・・できるはずが無いけれど。

「ちょっと考え事しててさ。」

「そっか。」



明日からは、俺の隣にはもうファナはいない。

ここに二人でくるのも・・・最後かもしれない。

本当は行きたくない。

帰ってきたとき、いや、無事帰ってこれるかどうかもわからないけれど。

ファナの隣には俺じゃない誰かがいるんじゃないかって。

そいつにさ。

笑顔で話しかけてるんじゃないかって。

もう俺なんかいなくていいって言われるんじゃないかなって。

今から不安で不安で・・・。

でもいつかは目の前にする光景だと思う。

その時は俺、相当ショックだろうな。きっと。

それでも俺はファナを守りたいと思う。



絶対に強くなってみせるよ。

―――姫さまのために。