とある國のヒメ


「ふぅ、これで良い。」

棚の引き出しのそこの方に文をいれると、その上に小物をいれて見えないようにする。



カイに見られたら、またからかわれるもん・・・。


文を隠し終わった私はしばらくしてから部屋を出た。

廊下を歩きながらカイの姿を探す。

「あれ?姫様どうされたんですか?」

衛兵が話しかけてきた。

「カイを探しているの。見てませんか?」

「う~ん、今日は見てないですね。」

「そうですか・・・。ありがとうございますっ!」

私はお礼をいって、また歩き出した。

途中、何人かの衛兵や大臣とすれ違い、話しかけられたが、カイを見たものはいなかった。

いくつもの部屋を通りすぎ、なんども曲がり角を曲がる。

どこにもいない・・・。

いつの間にか、衛兵や大臣とすれ違うこともなくなった。

一人で歩く広い廊下は、果てしなく続いていくようでまだ昼間なのに少し怖さを感じた。