「本当に王女はいないのか?どこかに隠れていないか、探せっ!」 「はっ。」 (ここも、見つかるかもしれない。) (どうしよう。外に行きたいのに。カイが待っててくれているのに。) 「もしかしたら抜け道があるかもしれない。壁もよくみろ!」 ・・・っ! 壁一枚隔てた向こうに、いる。 見つかったら命はないのだと、私でも分かった。 (ここで、死んでしまうの?) 「姫さまっ!」