子供の頃、私は祖父の事が苦手だった。

すごく頑固で、私たちが少しでも騒ぐと怒られたりもした。

あの頃の事は、怒っている祖父以外覚えていない。




夏休みになると毎年母の実家に泊まりに行っていた。

もちろん宿題もあるわけだからずっと遊べるわけではなかった。



ある日の昼間、居間で宿題をしていると、居間に入ってきた祖父が私たちの傍にやってきた。

また怒られるのかな?
そう思っていると、祖父は無言のまま手を伸ばし、電気を消したのだ。

昼間に電気をつけることが祖父には気に食わなかったらしい。

祖父の行動に一番に言葉を発したのは母だった。

「勉強するときくらい、電気をつけてもいいでしょ?目が悪くなったらどうするの」

そんな母の言葉に、

「そのままでも十分明るい。電気はつけなくていい。ここは俺の家だ、俺の好きなようにする」

そう祖父は言い放った。

自分が正しいと思うことは、何が何でも曲げない。

それほどまでに祖父は頑固だった。




本当に些細なことだったけれど、なぜか私はこの日の事を忘れることが出来ない。

この些細な出来事は、今では祖父との大事な思い出話になっている。

頑固だった頃の祖父の思い出だから。