「家庭教師の時間、あと30分あるけどどうする?」

と哀川くん。

「勉強するの?」

「一応、家庭教師だしな」

「そうだけど…」

「沙那」

哀川くんがニッコリと微笑んで、顔を近づける。

そして…

「…残りの時間は、先生と生徒じゃなくて恋人の時間な」

と耳元で囁く。

「敦士」

顔を上げたのと同時に、柔らかい唇の感触が私の唇に触れた。



―end―