「…哀川くん」

「…浅倉」

後ろから抱きしめられているから、哀川くんの表情は分からない。

それでも伝わってくる温もりは、とても温かくて…安心できる。

心地よい温もり。

死ぬほど恥ずかしいけど、そっと哀川くんの右手に触れてみる。

初めて触れた哀川くんの右手。

触れた瞬間、さらにギュッと優しく抱きしめられた。