「私は大切な人達を犠牲になんかできない」
震える声で… しかし、
目の前の男を強く見据え言い放つ
本当はこの死神のようなアスランから逃げたい気持ちでいっぱいだ
だが自分の大事な人達が 苦しむのを見ている事の方が恐い…
「そうか…
じゃあ俺について来い」
―逃げ出そうとは思うなよ…
そう念押しされて私は小さく頷き彼の数歩後ろにつづく…
―私はどうなってしまうのだろう
死ぬの?
…私はまだ生きたい
まだ色々な事をやり残している
恋愛だってこれからしていきたかった
早紀ちゃんとだってもっと色々な事をして遊びたかった
本当にどうなるのか今の私には分からない
私の胸の中、不安や悲しみでいっぱいで泣きそうになるが
この前を歩く男に情けない所は見せたくない
ギッと奥歯を噛みしめた


