「………ッ」


「俺は、今やっとお前を手に入れる事ができる」





 ―まばゆいばかりの金髪の髪、深い海を表す藍色の瞳…

その姿は芸術品のようであったが


瞳は輝きを失い
全く生気が感じられない





だがその姿は…

お祖母ちゃんから聞いていた





「…アスラン……?」


お伽噺に出てくるアスラン王子の容姿に似ていた



―そんな現実に起こりうるはずがない事だがさっきから私に向けられる

言葉全て、彼がアスランであると示している気がしたのである






「………ッ!」

彼は私の声に反応して
足をとめ…


「お前は…
ミシェルなのか」



とても愛しそうに、悲しそうに私に問いかける





「違う…私は、美香」



 ―ミシェルとは同じくお伽噺に出ていた…
悪魔の事だろうか?