「…誰?」
私は男と距離をとり問いかけた。
「お前こそ誰だ。アイツの嫁にそっくりだけど…」
…アイツの嫁?
「…でも髪も目の色も違うな。それに……」
「それに?」
そう言った私に男はいきなり私の顎を持ち顔を近づけていた。
「な、なな何ッ!?」
少しでも動けば目の前の男にキスをされそうな距離に顔が赤らむのがわかりそれを隠そうとするが 顎を持たれているので無理だった。
ドキドキと胸が鳴り続け 彼のグレーの瞳につい見入ってしまう…
「あ、あの………」
「なんとも間抜けな面だな…」
「……………。」
―はい?今なんて…
私はさっきまでのドキドキを忘れ、目をぱちくりさせていた。


