「……………あれ?」
だが、そこには誰もいなく今しがた歩いてきた回廊が続いていただけだった。
―おかしいな…。確かに足音が聞こえてたはずなのに…
辺りを見渡したり誰かが隠れて居たりしないか確認したが誰もいない。
私の空耳だったのかな?
―…諦めて前を向いた時だった。
「こんな所で何をしてるんだ?」
耳元で艶やかな男の声がした。
「―ッ!?」
再び振り向くとさっきはいなかったはずの人物がいた。
「…アス…ラン?」
アスランの顔をしているけれどアスランではない男…
壁灯に照らされた男は銀髪に褐色の肌をしていた。
―アスランとはまるで正反対だ。


