黒マントを探すのを諦め 下を向きため息をした



「…………?」


すると騒がしかった人々の声が聞こえなくなり、むせかえる程の火薬の匂いが鼻をかすめていた。


―…そして顔を上げた私の目にうつった光景に愕然とした。





「…どうして」


目の前は火の海となり活気に溢れていた街は死骸や建物の残骸が散らばっていたのだ


空を見上げると飛行軍艦が飛んでいて次々と爆弾を街に落としている…


私はただ呆然と立ち尽くすしかない。




「…ヒドイ。」


私が暮らしていた平和な世界では考えられない状況だ…。

しかし何にも知らない私でもこの物々しい景色に胸を打たれこれ以上の言葉は出てこなかった。






「…キャーッ!!!」


後ろで女の人の叫び声が聞こえ咄嗟に振り返ると



「…ッ!?」


獣… いや、怪物。

恐ろしく醜い姿をした生き物が女の人に襲いかかっていた